瓦の基礎知識

屋根のリフォームが必要な理由とは?リフォーム方法と費用相場も解説

ヒトツチ編集部

キッチンやお風呂など家の中のリフォームは考えても、屋根のリフォームは検討していないという方、いるのではないでしょうか。

しかし、あまり目につかないだけで、屋根もリフォームが必要になっていることもあります。
では、屋根のリフォームはいつどのような場合に必要になるかというと、「損傷のサイン」が現れたときです。

また、損傷のサインが確認できなくても、一般的にリフォームが必要とされる年数があります。

本記事では、屋根のリフォームが必要な理由と、リフォーム方法や費用相場をご紹介します

さらに、適切な業者の選び方も取り上げますので、屋根のリフォームを検討する際の参考にしてください。

屋根のリフォームが必要な2つの理由

屋根のリフォームが必要な理由として、損傷のサインと一般的にリフォームが必要とされる年数があります。

以下に解説します。

損傷のサイン

主に以下のような損傷のサインがあると、屋根のリフォームが必要になります。

・屋根材のひび割れや欠け
・塗装の剥がれ
・雨漏り

屋根材のひび割れや欠けは雨漏りの原因になるため、業者による点検を検討する必要があります。

欠けた屋根材は落下の危険性もあります。

ひび割れや欠けが目視で確認できなくても、10年程度を目安に定期的な点検ができると安心です。

広範囲にひび割れや欠けが発生している場合は、葺き替えを含めて適切なリフォーム工事を検討しましょう。

また、塗装の剥がれは、表面の塗装部分がめくれて内部の屋根材が露出している状態です。

そのため、屋根材の防水性が低下して屋根の内部に雨水が浸入する可能性があります。

塗装の剥がれが発生している場合は、塗装工事を行います。

さらに、雨漏りがすでに発生している場合は、葺き替え工事の早急な検討が必要です。

室内で雨漏りに気づかなくても、天井や屋根裏などに雨染みが発生しているケースもあります。

雨染みは屋根の内部に雨水が浸入している状態で、雨漏りのサインです。深刻な状況になる前にリフォーム業者に調査を依頼します。

劣化の影響・原因・点検についてはこちらの記事で取り上げていますので、ご参照ください。

瓦屋根の修理前に知っておきたい「劣化の影響・原因・点検」について解説

一般的にリフォームが必要とされる年数

損傷のサインが確認できなくても、一般的にリフォームが必要とされる年数に注目すると、屋根のリフォームを行う必要性が見えてきます。

では、屋根材ごとのリフォームが必要な年数とはどのくらいでしょうか。

本記事では、主に以下の屋根材を比較します。

・粘土瓦
・化粧スレート
・金属

建築物総合環境性能評価システムのCASBEEによると、粘土瓦の耐用年数は60年となっています。

また、化粧スレートの耐用年数は30年で、金属は15年です。
以上の年数から判断すると、リフォームが必要な年数は粘土瓦が最長になります。

瓦の歴史は古く、1400年以上も前の寺院に葺かれたものが日本で最古の瓦と言われています。

現在の瓦でも、10年に1度程度の定期点検を行えば、60年と高い耐久性を発揮することが可能です。

粘土瓦は、塗装で着色をしていないため、塗り替え費用が必要なく、メンテナンスコストを抑えるメリットもあります。

さらに、弊社、鶴弥は粘土瓦の高耐久性を明確にするため、新築物件にご採用いただいた弊社の粘土瓦製品に対して「60年間の製品保証」の実施を開始いたしました。

詳細は以下ページでご紹介しておりますので、ご参照ください。
https://www.try110.com/news/product/news-4572.html

なお、当社(メーカー)による製品(粘土瓦)への独自保証となる点、また、現在は新築のみが対象でリフォームは対象外である点について、ご留意下さい。

屋根のリフォーム方法と費用相場

次に、屋根のリフォーム方法と費用相場をご紹介します。

屋根のリフォーム方法

屋根のリフォーム方法には、部分的にリフォームする方法と屋根全体に行う方法があります。

部分的なリフォームは、屋根材の一部修繕と漆喰や雨どいなどの交換です。

例えば、屋根表面の粘土瓦や化粧スレートなどが破損した場合に、破損部分のみを修理・交換します。

また、漆喰が劣化した場合は、既存のものを剥がして新しい漆喰を塗り直します。

さらに、雨どいの詰まりを直したり、破損がある際には交換する方法もあります。

屋根を部分的にリフォームする方法は、破損・劣化部分のみを行うためコストを抑えることができます。

屋根の全体をリフォームする方法には、葺き直しと葺き替えがあります。

葺き直しは、下地部分を修理して、既存の屋根材を葺く方法です。

既存の屋根材を再利用することで、コストを抑えることができます。
しかし、既存の屋根材が防災瓦ではない場合は、地震や台風などの自然災害への対策として、屋根材を含めて全体をリフォームする葺き替えを検討することをおすすめします。

葺き替えは下地と屋根材を全て新しく交換するため、工事期間が最もかかる方法ですが、屋根の不具合を直し、自然災害への対策もできるメリットがあります。

修理の目安と修理方法はこちらの記事で取り上げていますので、ご参照ください。

瓦屋根を修理する時の注意点とは?費用相場や補助金も紹介

屋根のリフォームの費用相場

屋根を部分的にリフォームする方法では、一般的な30坪の戸建て住宅の場合で3万〜30万円程度が費用相場です。
リフォームする部分が高所の場合は、足場費用がさらにかかります。

例えば、雨どいの詰まりの修理は3万円程度が相場ですが、雨どい全てを交換する際は30万円程度など費用の幅はあります。

また、屋根の全体をリフォームする方法では、葺き直しの場合、一般的な30坪の戸建て住宅の場合で80万〜200万円程度です。
下地の野地板を交換して、防水紙を新しくするリフォームが最も費用がかかります。

さらに、葺き替えの場合、粘土瓦のケースでは、一般的な30坪の戸建て住宅の場合で140万〜200万円程度が費用相場です。下地調査や足場費用も含めた相場です。

屋根材が化粧スレートや金属の場合は、一般的な30坪の戸建て住宅の場合で90万〜200万円程度と粘土瓦よりもコストがかからないことがあります。

しかし、塗り替えコストのかからない粘土瓦は、塗り替えが必要な化粧スレートや金属と比べて30年間で220万円程度メンテナンス費用がおトクになるという試算があります。

屋根のリフォームは、長い期間の費用も含めた検討が大切です。

適切な業者の選び方

最後に、適切な業者の選び方を3つご紹介します。

①:適切な価格で詳細が分かりやすいか
②:実績が見える会社か
③:専門の業者かどうか

それぞれ解説します。

①:適切な価格で詳細が分かりやすいか

見積もりの価格が、相場と比較して適切かどうかは大切なポイントです。

見積書を受け取って相場と大きく価格が違う場合は、項目を解説してもらうと良いでしょう。

また、費用だけでなく見積もりの詳細もチェックします。

工事名称や仕様、数量や単位など工事の内訳が詳細に記載されていて、分かりやすいと安心です。

修理方法別の費用相場はこちらの記事で取り上げていますので、ご参照ください。

瓦屋根を修理する時の注意点とは?費用相場や補助金も紹介

②:実績が見える会社か

信頼できる適切な業者の判断基準として、過去にリフォームを手がけた事例やお客様の声などの実績が見える会社かどうかがあります。

ホームページに施工事例があれば、どのようなリフォームを行っているかを確認して、丁寧な対応や工事に対する姿勢などを見ると良いでしょう。

また、リフォーム業者が担当したお客様の声があれば、その業者に頼んだ理由や工事の満足度などを見ることができます。

ホームページで確認できない場合は、問い合わせの際に過去の事例を聞いてみる方法もあります。

③:専門の業者かどうか

屋根のリフォームにはさまざまな工事があるため、専門の業者を選ぶ必要があります。

例えば、屋根の塗装が剥がれてきている場合は、塗装業者に依頼するのが適切です。

また、瓦屋根に関するリフォームは、部分的な修理から葺き替え工事まで施工ができる瓦屋根工事店に依頼しておけば問題ありません。

さらに、地域工務店には屋根のリフォームを柔軟に対応してくれる業者もあるため、可能な修理内容やアフターフォローなどを確認しておくと安心です。

屋根のリフォームで後悔しないために適切な業者を選ぼう

以上、屋根のリフォームはいつ必要かについて、その理由や方法と費用相場をご紹介しました。

損傷のサインに気づかない時や、屋根材の一般的なリフォーム期間はいつか判断に迷う場合は、信頼できる業者に調査を依頼することが大切です。

本記事の業者の選び方を参考にして、後悔しない屋根のリフォームを行いましょう。

弊社、株式会社鶴弥は明治20年創業の粘土瓦メーカーです。

登録施工店のご紹介も可能ですので、以下の施工事例ページを参考の上、ぜひご相談ください。

施工事例 | 【三州瓦】防災瓦の株式会社鶴弥

寄稿者
ヒトツチ編集部
ヒトツチ編集部
「ヒトツチ」は株式会社 鶴弥が運営するメディアです。古いと思われがちな瓦という建材について、現代の建築家たちがどのように感じ、どのような活用に取り組んでいるのか。寄稿、インタビュー、トークイベントなどの方法で、瓦についての様々な思考を広く共有していきたいと考えています。
「瓦の基礎知識」のカテゴリー内の記事は、瓦メーカー鶴弥と建築設計者の監修のもと制作されています。
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