瓦の建築考

協働の輪郭 | Group Form 第4回 「限界の設計、協働の素材」インタビューイー: 藤村祥馬|金属加工業

井上岳

建築と美術の現場を横断しながら、協働の構造を探る連載「協働の輪郭」。第4回は金属加工業・藤村祥馬を迎える。図面は完成を保証しない。素材は想定通りには振る舞わず、施工には常に限界がある。その限界をどこまで押し広げるのか。できるかできないかの境界で交わされる判断の連続から、協働の輪郭を探った。

藤村祥馬

1991年東京生まれ。
明星大学造形芸術学部卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻入学、2016年に修了。
素材に金属、日用品などを使い、キネティック作品を制作。

主な個展
2024年「Romantic Action」KANA KAWANISHI GALLERY(東京)
2021年「Luck Action」KANA KAWANISHI GALLERY(東京)

IG: @studio_hoho_

独立、ゴルフ場、鯰

GROUP・井上岳(以下、GROUP):
いつから独立していたのですか?

藤村祥馬(以下、藤村):
2021年です。 GROUPと同じタイミングなんだね。最初にプロジェクトを一緒にしたのが1年目。「新宿ホワイトハウスの庭」(2021)はお互い、初めてみたいなプロジェクトだったんだね。施工費も安かった。 葛飾区の金属加工業の会社を経て独立した。元々作家として金属を使っていたから、作家の紹介でその金属加工屋さんに就職して3年ぐらいで、ちょうど、そう、僕一人でやりたいなと思ってて。そしたらある建築設計の人と仲良くなって仕事をもらって、ちょこちょこやってたって感じです。

GROUP
確か2021年の1月に連絡がありましたか?

藤村
アーティストの加藤翼さんから連絡がありました。知らないことも多々あったって感じだけど、まあいろいろ調べて仕事をしました。あのプロジェクトは大変だったよね。

GROUP
でもなんか、楽しかったけど。楽しかったけどやはり大変だった。

藤村
僕は2019年ぐらいには独立してて、まあ似たようなもんだな。

GROUP
藤村さんって青梅の方の大学?

藤村
青梅にいて、大学院で藝大に。

GROUP
なんで藝大行こうと思ったんです?

藤村
その総合中に芸術学部というのが当時あって、もうなくなっちゃったんだけど。そこで色々なこう、まあ陶芸もあるし、洋服とか色々ある中で、当時はもう僕はファッションがすごい好きで。それをずっとやっていたんだけども、途中で金属という素材に心惹かれて。それで、大学の中で大学4年生ぐらいの時に、金属をやり始めて。

GROUP
それまではファッションだったんだ。

藤村
そう。それで、もうちょっと学びたいなということで、大学院を受けて芸大受かってみたいなので行ったって感じ。先端芸術表現科に入りました。

GROUP
先端って機械、金属系ってあるんですか?

藤村
いや、ないです。いや、だからその先端ってなんか別にいろんな人、写真もいれば、 絵もいれば、っていう感じだから。金属加工室っていうのがあって。彫金、工芸科の場所みたいなところをずっと使わせてもらって、ずっと制作はしていました。で、卒業してゴルフ場でバイトして。

GROUP
卒業後に?

藤村
卒業後に。だから朝4時ぐらい、朝4時から午後3時まで仕事して、そこから制作をやって。

GROUP
すごい。

藤村
そう。で、全然稼げないからやめて。

GROUP
その時にユニット「鯰」を結成したんですか?

藤村
鉄工島フェスっていうのがあって、その時にアーティストのサイドコアの人に3人でやればみたいな感じで、一応「グループ」という名のもとで結成して、飲み仲間っていう体で。

GROUP
サイドコアがやればって言うまでは、それぞれ別でやってたんですか?

藤村
やってなかった、絶対やんなかった。でもまあ取手に住んでる3人だったから。
アーティストの森山泰地くんに声をかけられて、で、他にもってことで、俺とか、表良樹が参加した。

ホワイトハウス、面白いこと、今ならできること

©︎Yurika Kono

GROUP
僕は、2019年に独立して、2021年にGROUPという名前にしたんですよね。で、名前を変えてすぐのお仕事がホワイトハウスで。

藤村
GROUPなんて、なんか面白いことばっかりじゃないですか。

GROUP
面白くないことってあるんですか?

藤村
訳わかんない金物とかは面白くないんじゃない?どこに使うの?これ、みたいな。例えば、なんか壁の中に入る金物とかさ。どうせ見えなかったりとか。 やっぱり作って、お、いいねとかっていう感じがおもしろいかな。 まあ別に仕事だから全然やるけど、面白さとしては什器作ったりとかの方が圧倒的にやりがいはあるよね。

GROUP
ホワイトハウスの時は作るものは什器と建築の間、什器スケールで建築を変更できるものを意識して設計した気がします。ホワイトハウスのポーチとかブロック塀カウンターの天板、ツリー床、真鍮の扉。真鍮の扉は熱で浮いちゃいましたよね。もちろん是正しましたけど。今ならなんかできたりするんですか?

藤村
結局接着剤としてエポキシっていうのを使っちゃってて。多分シリコンとか、そういうもうちょっと接着性能が高いものであれば、剥がれづらい。いつも使ってるものというか。何で剥がれたかのかは、やはり真鍮で、経年していくから。表面が侵されちゃって剥がれたのか、詳しいことはわかんないんですけど、シリコンも選択肢にあったなっていう。

GROUP
ホワイトハウスのプロジェクトはすごく時間がなくて、話が来てから工事開始まで 1ヶ月もないみたいな感じで。 こういうのを作りたいんですっていきなり相談しましたっけ。

藤村
そうでした。予算がいくらですって聞いて、で、時間もタイトだったので、僕も、うん、まあわかりましたと答えるしかなかった。

GROUP
減額調整とかもなく進んだ気がしますね。
まあ。本当にカツカツだったんだな、全員。

藤村
そう、みんなカツカツだったじゃん。まあ、やれたらいいなっていうのはあったから。だから、まあいいかなと思って。

清春芸術村のチケットカウンター、先輩、銅メッシュ

©︎Kei Murata

GROUP
最初はホワイトハウスはギャラリーとして1年で閉めるからみたいな話もありましたが、その後もギャラリーは継続していて。それはよかったなと。
続いて清春芸術村のチケットカウンターですね。清春芸術村のチケットカウンターはGROUPがお願いした中では、大きなものでしたかね。

藤村
そうですね、清春。
僕、あの規模の作品はやったことなかったですから。先輩から、いろいろ聞いたりとかしながら作りました。

GROUP
あのスケールのものって、誰に頼むかいつもわかんなくなっちゃいます。普通の建築業者にしてはちっちゃすぎるし、とはいえ家具業者にしては大きすぎる。ミニ鉄骨建築みたいなスケール。

藤村
普通は、鉄骨屋さん呼んで、インストラクターさん呼んで、なんとかやって初めて完成はすると思う。

GROUP
それでも藤村さんにできてしまったということが、すばらしいですね。このプロジェクトとかも、コミュニケーションをしながらやってたじゃないですか。

藤村
はい。

GROUP
屋根とかもああいう仕上げは一枚、乗っけるだけみたいな素晴らしいし。
銅のメッシュもモックを試しながら作ることができました。
あれよりもでかい規模で作ったりしてるんですか?

藤村
あの規模のでかさは未だないんじゃないかな。

アシスタント、車を持つ、断らない

GROUP
もちろんバジェット的にはもっと大きいのがありますね。

藤村
ハイブランドのイベントとかいろいろやってる施工会社の人と仲良くなり始めて。

GROUP
それってどういう会社が受けてるんですか?

藤村
本当はそういう、全部トータルでコーディネートする会社があって、企画屋さんみたいな。そこから施工会社に仕事がいく。ハイブランドの3週間しかやらないようなイベントで、めちゃめちゃお金がつぎ込まれる。
短納期だから何かあった時のためにいっぱい補填しておく必要あるし。

GROUP
今、藤村さんはアシスタントの人いるんですか?

藤村
いないです。 まだずっと一人かなって感じ。

GROUP
今後増やしたりする予定あるんですか?金属加工業の人ってキャリアパス的にはどんな感じなんですか?例えば、独立して車買って、工場持ってという感じで進むんですか?

藤村
例えば社長やって人雇って回して、俺は営業行ってとかじゃない。 もし仮に人を何人雇うってなったら。 ただそういう人望もないんで、僕は自分でやりたい派なので。 スポットで人を呼んで、大きい案件とかをやるっていうのが今のところいいかなとは思っている。 でもどうですか? 逆に聞きたいですけど、これだけ人がいて、井上さんは今どういう役職なの?共同代表?

GROUP
共同代表です。
ホワイトハウスの頃とは全然違った状況です。

藤村
そうだよね。営業として、お客さんに会いに行ったりするの?

GROUP
明確に営業目的はないですが、レクチャーしに行ったりとかは増えました。

藤村
そこからこう仕事を増やっていってって感じとかもあるんだよね。ちょっと社長っぽい動きになってるよね。

GROUP
それがいいのかはわかんないですね。

藤村
やりたいことはそういうことなんじゃないですか? 逆に聞きたいんですよ。設計事務所はどういうステップを踏む?やっぱり事務所でかくしてて、従業員バーっ来てガンガン仕事する。

GROUP
そうですね、そんなふうにやりたいですよね。難しいのが、 大きくしようと思うと、ずっと大きくしていくしかないのかなと思っていて、 つまり、この状態を、この状態いいとは思わないけど、この状態をずっと保つっていうのは結構難しいことな気がする。

藤村
大きくなるしかないってこと? そう でもそれって、それってこう仕事を取る量の話ってこと? やっぱ断らないじゃない。

GROUP
確かに。断ります?

藤村
断れない。

GROUP
じゃあ大きくなっちゃうじゃないですか。

藤村
でも、逆に言ったら、営業とかにも行かない。

GROUP
ああ。

藤村
だからもう今でもやろうとは思ってるけども。全く営業はやってない。
けど、大きくしていくしかないんじゃない?

GROUP
迷いますね。どうしよう。

藤村
少数精鋭というかは、僕はやりたいかなと。やるとしたらね。本当に信用できる人が何人かいて、ガンガン回していくっていう方をやりたい。

GROUP
それはそれぞれ、かなり主権があるっていうか、決定権を持っている。

藤村
この人に任せとけば、まあなんとかなるかなっていうのは、いるじゃない。 例えばここの現場、他の人と組んだらむしろ上手くまわるかなとかあるから、そういう人でまず固めたい。けどそんな人なかなかいないから。

GROUP
新人さんとも年も離れていくし。

藤村
モチベーションだってさ、全然違ったりする。だから気を使ってばっかり。僕は。

GROUP
なるほど。困ったもんだなと。流されるままこんなことになってるんですけど。

藤村
でもすごい流されてここまで行けるんだったら相当すごいってことじゃない。

GROUP
いやいや。

会場構成、0、工場を買う

藤村
今は、どういう、基本的には会場構成が多い?

GROUP
そうですね。会場構成も多いんですけど、こういう結構大きめの建築のプロジェクトもあったりします。まあいろいろ問題はある。新築だし、3,000平米ぐらいあるし。最初のプロジェクト、ホワイトハウスから距離をとても感じますね。

藤村
だってここ5年ぐらいの話じゃないですか。5年でこんなことすごい。
でもいい道に行ってるって感じじゃないですか。まあ最悪じゃない気もするが。
いやむしろめっちゃいいでしょ。

GROUP
どうしてもやっぱ一人で全部やるって難しくなってきてます。会場構成の仕事たちと、こういう大きめのプロジェクトと全部一人で設計するのは難しい。 そうするとやっぱりね、一緒に仕事していくしかないから。けれど、それをずっと維持するのは難しい。大きなプロジェクトも4年ぐらいで終わっちゃうから、将来、また会場構成の仕事になっちゃうだけになっちゃうかもしれないし。どうやって回していけばいいのかって。 一銭も内部留保せず全て使い切る方針で今経営をしていて、 4年後は貯金ゼロになっちゃいますね。なんていう綱渡りなんだろうと思って。そういうのなんかあります?ずっと綱渡りですか ?なんか保険があるんですか?

藤村
最近、工場を買いました。

GROUP
すごい、どこに?

藤村
千葉県に買って、引越しを済ませたら、まだ自分で内装とかやろうとして。

GROUP
何平米?

藤村
120平米くらい。

GROUP
賃貸じゃなくて買った。すごい。経営的には大丈夫なんですね。

藤村
自転車操業みたいにはなってないですね。一人でやってるから、誰かに払うお金って相当少なくて 。お金にそんなに困ってはないかも。けど、どうしていこうかなと思ってる。 身体がずっと続くわけじゃないから。
だから、例えば、社長になって、若い子を入れるとか、ちょっとよぎったことあるけど、そんなことやる子いるかなとか思いつつ。いろいろ考えたんだけど、健康的にできなくなったら終わりかなとか。

GROUP
備えをどうしようかなと思っていて。僕だっていつ体調を崩すのかなと。

藤村
でもGROUPっていう名前だからさ。他にもいっぱいいるって言ってたしさ。こう、続いていくみたいな話にもなるかも。

GROUP
まあ、でもGROUPが続いたとしても僕が困る。

藤村
そうか。でもまあもう会長になれば。

GROUP
困ったものですよね。今までは賃貸?

藤村
今までは賃貸。森山くん一緒に借りたりとか、みんなで借りてて。でもまあもう手狭になってきたし。

GROUP
じゃあ、もうそこを出て。

藤村
そこを出て、やっとこう、やっとなんか楽できそうな感じはある。

GROUP
何人かで借りてるよりも楽?

藤村
そうね。場所が広いし。トラックもそのままつけられる。

GROUP
素晴らしい。

藤村
大きい仕事も受けられる。

GROUP
そうしたら、いよいよ人が必要だ。

藤村
そうそう。でもなんかね、人はなぁ。

イーストイースト、ファッション、クライアントワーク

©︎Naoki Takehisa

藤村
「イーストイースト」でも一緒だった?

GROUP
確かに。あれもサイドコアさんと協働でした。

藤村
イーストイーストも大変だよね。
どうだった?

GROUP
藤村さんも手伝ってましたよね?

藤村
そうそう、第1回の方はインストールで参加していた。
手伝ってって言われて手伝いに行って。

GROUP
で、第2回は鯰として出展していて。

藤村
鯰で出展しつつ、壁立てもしてた。
壁は取手の工場で作ってた。

GROUP
なるほど、そうだったんですね。
早いですね。時が経つのが。
2023年の第1回のイーストイーストから早くないですか?

藤村
そうですね。

GROUP
なんで金属に興味を持ってらしたんですか?始めはファッションをしてたんですよね?

藤村
やっぱり、ファッションがつらすぎたんだと思う。

GROUP
なんでつらいんですか?

藤村
ファッションは案をすごい出していかないといけない。 20~30案とか出してないといけないし。でも、やりたいことが服よりも、手を動かして、溶接して作ってというのが楽しかったから。

GROUP
卒業制作では何を作ったんですか?

藤村
卒業制作は、針金で人の足を百体ぐらい作って。兵馬俑みたいな形で並べた。

GROUP
結構ファッションっぽくもありますね。

藤村
そうそう身体みたいな。ちょっと当時は気になってたというか。
まあほんとそれぐらいだったと思います。
そのあと、先端で色々と動く作品を作った。

GROUP
現在の藤村さんの作品性は動いたりとか、ユーモアがあったりしますよね。
どこでその作品性を確立したんですか。

藤村
それはもう、大学でお世話になった牛島達治っていう先生がそういう人で。
で、おもろいなって思って、そこからずっと僕もそういうのを作ってる。

GROUP
なるほど。

藤村
そんな感じで金属を、なんか質感的に好きだからっていう感じですかね。
それでその後、建築に行くと。

GROUP
最終的には作品を作りたいんですか?

藤村
いや、そこはね、難しいところで、クライアントワークも楽しいんで。
お願いされて、いろいろと、こういうふうにしたらいいんじゃないかとか、自分で考えてるのも好きだし。

オーバル、素材、亜鉛メッキのロット

©︎Naoki Takehisa

GROUP
楕円単管の什器のプロジェクトがあったじゃないですか。テーブルとスツール。

藤村
はい。

GROUP
そう、楕円単管とか、藤村さんのアイディアですよね。当時相談した時は、そもそも楕円単管じゃないもので作りたいんですけどって言ったんですよね。
だけど、なんか施工が難しいねってなって。
なんか面白い素材ないですかってきいて。楕円単管を教えてくれましたよね。

藤村
うん、そういうのが結構楽しいかもしれない。
こういう材料もあるよねとかね。

GROUP
全然僕らのアイディアじゃないんですよね。

藤村
いや、そんなことないです。

藤村
面白い素材なんかない?とか聞かれるのは、すごい楽しい。
そういうのを答えられる知識とかは常に持ってきたいなっていうのはあって、それが楽しかったりする。

提案、やりとり、失敗

GROUP
藤村さんと話すと、毎回いろんな素材を提案してくれるし、かなりやりとりしながら設計をしているって感じな気がしますね。

藤村
そういう仕事が多いかもしれない。
こういうのなんかないですか? とか。
こういう風にしたいんだけど、何かいいのありますか? とかきかれて、こういうのどうですか? っていう提案をすることは多々あると思う。
そこは強みじゃないかな。

GROUP
そうやって、ただ図面通りに何かを作るというよりは、金属って知識とかがすごい影響するじゃないですか。 例えば、規格寸法から始まり、それぞれの素材でも全然挙動が変わるし メッキとかもあるじゃないですか、 塗装とか。 金属同士の組み合わせもあるし。 すごいそういう知識の体系が必要なジャンルだから。

藤村
僕もこういうの使ってみたいなとか、こういうの作りたいなとか、これでどれだけ細くできるだろうとか、そういうちょっとダメだったらこういう風に作り直してみようみたいなのはある。 ギリギリを攻めたいというのはすごいある。お願いされたことより、もうちょっと上になれるように努力するという。

GROUP
藤村さんに相談すると毎回そんな感じがします。

藤村
いやまあでも僕もね、もう多々失敗はあるんで、あれですけど。

GROUP
失敗ってするじゃないですか。クライアントさんによっては失敗がないと思っている方もいたりして、そういう時どうしてます?同じことはしたくないですよね。

藤村
失敗はめちゃくちゃする。絶対ダメだったらもう、お金払われないとかあるよ。
失敗はあるからしょうがない。

GROUP
それは大変ですね。

藤村
そのあたりGROUPもぎりぎりを攻めるじゃないですか。
こうやりたいとか作り手からしてみれば本当に?という感じばかり。
これとこれを組み合わせる?みたいな。そういうのに燃えちゃうタイプ。
そういうのは必要だと思うんですよね、おもしろいと思うから。
色々な人からお願いされるけど、できるかできないかのギリギリのラインはおもしろい。ダメだったこともあるし。けどぎりぎりじゃないと面白くならないと個人的には思っているので、GROUPはいつもそんな感じがする。

工務店、責任の所在、テキスタイルと金属

GROUP
自分で設計することもあるんですか?

藤村
僕の場合は、設計の人がいて、工務店さんがいる。

GROUP
設計者が直接相談することってあまりないんですね。
確かに言われてみるとそうかもしれない。普通工務店を通しますよね。

藤村
お願いする方も工務店通すと楽じゃない。まとめて全部やってくれる。

GROUP
工務店さんが対応できない仕事が多い時もあるんですよね。その辺は流動的になった方が面白いのかなと思ってて。一般的には工務店さんにまず、こういうことできますか?って聞いて、その後、工務店さんが適した職人さんを集めて、まとめていくじゃないですか。それもそれですごいいいんですけど。そうすると僕らは設計者は工務店さんとしかやりとりしなくて済むし。場合によっては工務店さんを介さずに、それぞれバラバラに分離発注しても、面白いアイデアができたりとかするような気もするんですよ。

藤村
うん、なるほどね。 超大変そうだけど。

GROUP
ホワイトハウスとかはそうでしたよね。

藤村
そうだね。

GROUP
工務店さんを通すと、直接それぞれの職人さんとあんま話さなくなるから、初めての、面白い材料をどう使うのかみたいなことは、工務店さんは省いたりしますよね。大変だから。うまくいかなかった時、責任も取れないし。

藤村
それは、あるかもしれない。

GROUP
そんなデメリットもあるっていうか、もちろん責任の所在がわかるなどのメリットもすごい大きいと思うんですけど。 プロジェクトをどこに着地させるかというかによりけりではあるとは思いますけどね。もちろん当然安全に、うまくいくように作りますけど。どういうところに着地させるかによって、 そもそもの発注の仕方から考えてみるっていうのは可能性としてあるんじゃないかなと。

藤村
そうね。

GROUP
例えばテキスタイルと金属とかの組み合わせってあんま見ないじゃないですか。

藤村
そうですね、うん。

GROUP
やっぱり業界が違うと一緒に同じように知識を持ってる人が例えば家具としては別に存在してもいいじゃないですか。まだまだ可能性はあるますよね。

藤村
まあ何も言っちゃえば、僕、服飾やってたので。できないはことない。
そういうふうになっていきたいんですよね。金属だけじゃない専門家に。

GROUP
確かに、異業種のことが混ざった、プロジェクトがあるといいですよね。 プロジェクトが異業種をつなげていく。鉄だと鉄、布だと布、木だと木みたいになっちゃってるかもしれない。もっといろいろできそうなのにと思うこともあるんですけどね。

藤村
そうね。まあそういう大変だけども。

GROUP
そうですね、今後もちょっとお願いしていきたいですね。実は今日も相談があるんですよ。このインタビューが終わったら続けて相談をお願いします。

対話から見えてきたのは、ファッションから現代美術、そして建築へと領域を横断してきたという経歴によって、金属という強固な素材を扱いながらも、極めて柔軟にプロジェクトを扱う実践が積み重なっていることであった。プロジェクトの輪郭は当初の予定を超えて変容し、より解像度の高い実体へと更新されていく。本インタビューは、独立、工場の取得、そして新たな協働へと向かうなかで、「作ること」と「生きること」の輪郭を模索し続ける、現在地を記録した。


Contours of Collaboration | Group Form Vol.4 “Designing the Limit, Materials of Collaboration”

Shoma Fujimura
Born in Tokyo in 1991.
After graduating from the Department of Design and Art at Meisei University, he entered the Graduate School of Fine Arts at Tokyo University of the Arts, Department of Intermedia Art, completing the program in 2016.
He produces kinetic works using materials such as metal and everyday objects.
Selected Solo Exhibitions
2024 “Romantic Action” KANA KAWANISHI GALLERY (Tokyo)
2021 “Luck Action” KANA KAWANISHI GALLERY (Tokyo)
IG: @studio_hoho_


Interviewee: Shoma Fujimura | Metal Fabricator
“Contours of Collaboration” is a series that explores the structures of collaboration across the fields of architecture and art. For this fourth installment, we welcome metal fabricator Shoma Fujimura. Drawings do not guarantee completion. Materials do not behave as expected, and construction always entails limits. How far can those limits be pushed? Through a succession of judgments made at the boundary between what is possible and impossible, we traced the contours of collaboration.

Independence, Golf Course, Catfish


Gaku Inoue (GROUP, hereafter GROUP):
When did you become independent?

Shoma Fujimura (hereafter Fujimura):
In 2021. The same timing as GROUP. The first project we did together was in my first year. “Garden of the Shinjuku Whitehouse” (2021) was like a first project for both of us. The construction budget was low. After working at a metal fabrication company in Katsushika Ward, I went independent. I had originally been using metal as an artist, so through an artist introduction I got a job at that metal workshop. After about three years, I felt it was about time to work on my own. Then I became close with someone in architectural design and started receiving work little by little.
GROUP:
If I remember correctly, did we contact you in January 2021?
Fujimura:
I was contacted by the artist Tsubasa Kato. There were many things I didn’t know, but I researched and did the job. That project was tough, wasn’t it?
GROUP:
But somehow it was fun. It was fun, but definitely tough.
Fujimura:
I had already gone independent around 2019, so it’s more or less the same.
GROUP:
You went to university in Ome, right?
Fujimura:
I was in Ome, and then went to Tokyo University of the Arts for graduate school.
GROUP:
Why did you decide to go to Geidai?
Fujimura:
At that time there was a Faculty of Art within the general program—though it no longer exists. There were ceramics, clothing, various fields. Back then I really loved fashion and was doing that. But midway I became drawn to the material of metal. Around my fourth year of university, I started working with metal.
GROUP:
So until then it was fashion.
Fujimura:
Yes. I wanted to study further, so I applied to graduate school and got into Geidai. I entered the Department of Intermedia Art.
GROUP:
In Intermedia, is there machinery or metal specialization?
Fujimura:
No. Intermedia has all kinds of people—photographers, painters, and so on. There was a metal workshop, and I was allowed to use the metal and craft department’s facilities for production. After graduating, I worked part-time at a golf course.
GROUP:
After graduating?
Fujimura:
Yes. I worked from around 4 a.m. until 3 p.m., and then did my own production after that.
GROUP:
That’s incredible.
Fujimura:
Yeah. But I couldn’t make any money, so I quit.
GROUP:
Was that when you formed the unit “Namazu” (Catfish)?
Fujimura:
There was an event called Tekkojima Fes, and someone from the artist group SIDE CORE suggested the three of us should do something together. So we formed a “group,” basically as drinking buddies.
GROUP:
Before SIDE CORE suggested it, were you all working separately?
Fujimura:
No, we absolutely wouldn’t have done it. But the three of us lived in Toride. Artist Taichi Moriyama reached out, and then I and Yoshiki Omote joined.

Whitehouse, Interesting Things, What We Could Do Now


GROUP:
I became independent in 2019 and changed the name to GROUP in 2021. The first project after the name change was Whitehouse.
Fujimura:
GROUP is always doing interesting things, aren’t you?
GROUP:
Are there uninteresting things?
Fujimura:
Unclear hardware can be uninteresting. Like, where is this even used? For example, hardware hidden inside walls. You never see it anyway. It’s more interesting to make something and think, “Oh, that’s good.” It’s work so of course I’ll do it, but making furniture and such is far more rewarding.
GROUP:
For Whitehouse, I think we designed things between furniture and architecture—objects at furniture scale that could alter architecture. The porch, the block wall counter top, the tree floor, the brass door. The brass door warped due to heat, didn’t it? Of course we corrected it. Could we do something differently now?
Fujimura:
We used epoxy as the adhesive. If we had used silicone or something with stronger adhesion, it might have been harder to peel off. I’m not sure exactly why it peeled—perhaps because brass ages and the surface deteriorated. Silicone could have been an option.
GROUP:
The Whitehouse project had very little time—less than a month from first discussion to construction start. I suddenly came to you saying I wanted to make these things.
Fujimura:
Yes. You told me the budget, and since the timeline was tight, I had no choice but to say, “Okay.”
GROUP:
I feel like we proceeded without much cost reduction. We were all stretched thin.
Fujimura:
Yes, everyone was tight. But I wanted to make it work, so I thought, why not.

Kiyoharu Art Village Ticket Counter, Seniors, Copper Mesh


GROUP:
At first, Whitehouse was supposed to close as a gallery after a year, but it continued, which was good. Next was the Kiyoharu Art Village ticket counter. Among what GROUP has asked of you, that was relatively large.
Fujimura:
Yes, Kiyoharu. I had never done something at that scale. I asked seniors for advice while making it.
GROUP:
At that scale, it’s hard to know whom to ask. Too small for a regular construction company, too large for furniture makers. Like a mini steel-frame building.
Fujimura:
Usually you’d call a steel contractor, an instructor, and many others before it’s complete.
GROUP:
Yet you managed to do it, which is wonderful. We communicated a lot during that project.
Fujimura:
Yes.
GROUP:
The roof finish—placing a single sheet—was great. We tested copper mesh with mock-ups. Have you built anything larger?
Fujimura:
Not at that scale yet.

Assistants, Owning a Car, Not Refusing Work


GROUP:
Of course, budget-wise you’ve done larger projects.
Fujimura:
I started getting close with people at construction companies handling high-brand events.
GROUP:
What kind of companies take those jobs?
Fujimura:
There are companies that coordinate everything—like planners—then pass work to contractors. High-brand events lasting only three weeks, with massive budgets. Because of tight schedules, they need backup contingencies.
GROUP:
Do you have assistants now?
Fujimura:
No. Still alone.
GROUP:
Do you plan to expand? What’s the career path for metal fabricators?
Fujimura:
Not necessarily becoming a president, hiring people, and going into sales. If I hire several people, maybe. But I don’t have that kind of charisma. I prefer doing it myself. Calling people in on a project basis for big jobs is fine for now. But what about you? With so many people, what’s your position now? Co-representative?
GROUP:
Yes, co-representative. Very different from Whitehouse days.
Fujimura:
Do you go meet clients as sales?
GROUP:
Not explicitly for sales, but we do more lectures.
Fujimura:
That leads to more work, right? That’s kind of a president-like move.
GROUP:
I’m not sure if that’s good.
Fujimura:
Isn’t that what you want? How does an architecture office grow? Getting bigger, hiring many employees?
GROUP:
Yes, ideally. The problem is that once you start growing, maybe you can’t stop. Maintaining the current state feels difficult.
Fujimura:
So you can only grow? Isn’t that about taking on more work? You don’t refuse, right?
GROUP:
True. Do you refuse?
Fujimura:
I can’t refuse.
GROUP:
Then you’ll grow.
Fujimura:
But I don’t do sales. Still, maybe growth is inevitable.
GROUP:
I’m conflicted.
Fujimura:
I’d prefer a small elite team. A few trusted people running things.
GROUP:
Each having significant autonomy.
Fujimura:
Yes. If you can trust someone to handle a site, that’s ideal. But such people are rare.
GROUP:
And the age gap with newcomers grows.
Fujimura:
Motivations differ. I’m constantly being considerate.
GROUP:
I see. We’ve just drifted into this situation.
Fujimura:
If you drifted this far, that’s impressive.

Venue Composition, Zero, Buying a Factory


Fujimura:
Are most of your projects venue compositions now?
GROUP:
Many are, but we also have larger architectural projects—new builds around 3,000 square meters. Very different from Whitehouse.
Fujimura:
And that’s within five years. Amazing. Seems like a good path.
GROUP:
It’s hard to do everything alone now. Balancing venue projects and large architecture is difficult. We spend everything without internal reserves; in four years we’ll have zero savings. It feels like walking a tightrope. Are you always on a tightrope? Any insurance?
Fujimura:
Recently, I bought a factory.
GROUP:
Amazing. Where?
Fujimura:
In Chiba. After moving, I plan to do the interior myself.
GROUP:
How many square meters?
Fujimura:
About 120.
GROUP:
Not renting but buying. That’s impressive.
Fujimura:
It’s not like running on fumes. Since I work alone, I have few expenses. But I wonder about the future. My body won’t last forever. I considered becoming a president and hiring younger people, but I’m not sure. If I can’t work physically anymore, maybe that’s the end.
GROUP:
I wonder about preparation too. What if I fall ill?
Fujimura:
But you’re called GROUP. There are others. It might continue.
GROUP:
Even if GROUP continues, I might struggle.
Fujimura:
Then become chairman.

EASTEAST, Fashion, Client Work


Fujimura:
Were we together at “EASTEAST”?
GROUP:
Yes, with SIDE CORE.
Fujimura:
EASTEAST was tough too. I participated in the first one as installation help. The second, I exhibited as Namazu and built walls at the Toride factory.
GROUP:
Time flies. Since the first EASTEAST in 2023.
Fujimura:
Yes.
GROUP:
Why metal? You started in fashion.
Fujimura:
Fashion was too hard. You must produce 20–30 proposals. I preferred welding and making things by hand.
GROUP:
What was your graduation project?
Fujimura:
About a hundred wire human legs arranged like the Terracotta Army.
GROUP:
Somewhat fashion-like.
Fujimura:
Yes, body-oriented. Then in Intermedia I made moving works. My professor Tatsuji Ushijima influenced that.
GROUP:
Do you ultimately want to focus on your own artworks?
Fujimura:
That’s difficult. Client work is fun too—being asked and proposing improvements.

Oval Pipes, Materials, Galvanization Lots


GROUP:
Remember the oval pipe furniture project?
Fujimura:
Yes.
GROUP:
The oval pipe was your idea. We initially wanted something else, but construction was difficult. You suggested it.
Fujimura:
That’s enjoyable—introducing new materials.
GROUP:
It wasn’t our idea.
Fujimura:
Being asked about interesting materials is fun. I want to always have that knowledge.

Proposals, Exchanges, Failures


GROUP:
You always propose various materials; we design through dialogue.
Fujimura:
That’s common. Clients ask, and I propose. That’s a strength.
GROUP:
Metal requires deep knowledge—standards, behaviors, plating, paint, combinations.
Fujimura:
I want to push limits—if it fails, try again. Aim slightly beyond requests.
GROUP:
That’s the impression I get.
Fujimura:
But I’ve failed many times.
GROUP:
Some clients think failure doesn’t exist. How do you handle that?
Fujimura:
Failure happens. Sometimes you don’t get paid. But it’s inevitable.
GROUP:
That’s tough.
Fujimura:
GROUP also pushes limits. From a maker’s view, combinations seem improbable. But that’s exciting. The borderline between possible and impossible is interesting.

Contractors, Responsibility, Textile and Metal


GROUP:
Do you design yourself?
Fujimura:
Usually there’s a designer and contractor.
GROUP:
Direct consultation without contractors is rare.
Fujimura:
Going through contractors is easier.
GROUP:
But sometimes contractors can’t handle certain ideas. Separating commissions might allow interesting ideas.
Fujimura:
Sounds very tough though.
GROUP:
Whitehouse was like that. Contractors may omit experimental materials because of responsibility.
Fujimura:
That may be true.
GROUP:
There are pros and cons. Depending on where you want the project to land, even procurement methods matter.
Fujimura:
Yes.
GROUP:
You rarely see textile and metal combined.
Fujimura:
True.
GROUP:
Different industries hold different knowledge. There’s still potential.
Fujimura:
I did fashion, so it’s possible. I’d like to become more than just a metal specialist.
GROUP:
Projects connecting industries would be good.
Fujimura:
Difficult but worthwhile.
GROUP:
We’d like to continue collaborating. I actually have something to discuss after this interview.


What emerged from the dialogue was that through a trajectory crossing fashion, contemporary art, and architecture, a practice has accumulated that handles the solid material of metal with remarkable flexibility. The contours of a project exceed initial plans, transforming into entities of higher resolution. This interview records a present moment—amid independence, acquiring a factory, and moving toward new collaborations—continuing to search for the contours of “making” and “living.”

寄稿者
GROUP
GROUP
建築プロジェクトを通して、異なる専門性を持つ人々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を目指し、建築設計・リサーチ・施工をする建築コレクティブ。 主な活動として、設計・施工「夢洲の庭」(大阪府、2025)、設計「道具と広い庭」(山梨県、2023)、設計・運営「海老名芸術高速」(神奈川県、2021)、設計・施工「新宿ホワイトハウスの庭」(東京都、2021)、企画・編集「ノーツ第一号 庭」(NOTESEDITION、 2021)、設計「EASTEAST_TOKYO」(アートフェア会場構成、2023)、グループ展「Involvement / Rain / Water passage」(金沢21世紀美術館DXP展、2023)、個展「島をつくる | Planning Another Island」(マイナビアートスクエア、2024)、「手入れ / Repair 」(WHITEHOUSE、2021)、プラットフォーム「ことの次第 / Way of Things」(2024)など。
記事URLをコピーしました